読書記録 2023年8月

8月の読書記録 めもめも

「ミスサンシャイン」吉田 修一

吉田 修一さんの作品は映像化されることも多いのですが、こちらも場面が浮かぶようなストーリー展開で、ぐっと引き込まれ一気読みしました。今はほぼ引退しているかつての銀幕スター「和楽京子」と彼女の荷物整理のアルバイトに通うことになった大学院生が主人公です。実際に映像化されたらどの女優さんが似合うだろう…と想像しながら読みました。若者の成長物語であり長崎を生きた一人の女性の生き様の物語でもあります。

「マスカレードイブ」東野 圭吾

映画化された「マスカレード」シリーズの二人、ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美と刑事の新田浩介 が出会う前の物語です。。山岸尚美パートは自動的に長澤まさみさんで脳内変換されます。(小説で読む新田浩介はキムタクではないような…)短編集なのでサラっと読みやすいです。安定の面白さ読みやすさ。

「使命と魂のリミット」東野 圭吾

これはかなり以前に読んでいたのを忘れて再び借りてしまった。結末が思い出せなかったので再読。父の死は医療ミスなのかそれとも?!父の死の真実を知るために心臓外科医になった女性が主人公。以前読んだ時もお母さんの再婚話があまり納得いかなかった記憶が…。

「ミチルさん今日も上機嫌」原田ひ香

原田ひ香さんの作品は初めて読みました。主人公は生まれて初めて彼氏にフラれ、仕事も失ったバブル世代の45歳バツイチ女性。主人公が思い出すバブル時代の彼氏や生活と、最近の若者との対比が目新しく面白かったです。バブル世代って「歳を重ねても前向きでエネルギッシュ」と良い見方をされることもあるし、「美魔女」とかいつまでもやっちゃって…みたいな批判的な見方もあるのですね。イタイ人として書かれているのではなく、ミチルさんが前向きなので良い読後感です。

「長い廊下がある家」有栖川 有栖

ドラマ化もされている臨床犯罪学者・火村英生シリーズ。私はドラマも見たことがなく小説を読むのも初めて。てっきり表題の長編だと思っていたので「あれ?やけに序盤で解決したけどまた新たな事件が絡んでくるのか?!」と思ったのですが、短編集でした。面白かったのですが一作一作ちょっと物足りないかんじもしたので次は長編を読んでみたい。

「世間とズレちゃうのはしょうがない」養老 孟司・伊集院 光 

こちらもkindle unlimitedから。世間からハミだしていることを自認している二人の対談形式の本です。以前から養老孟司さんの達観したかんじが好きなので、こちらも楽しく読みました。お話を聞くと肩の力が抜ける気がします。伊集院光さんはさすがにお話上手ですね。ご自身の例え話などが豊富で分かりやすかったです。たまに読み返したい一冊です。

老人の壁」養老 孟司・南 伸坊 

こちらもkindle unlimitedから 

養老 孟司さん 南 伸坊さんの対話形式の本。お二人は当時それぞれ「じきに80」「67の前期高齢者」とのこと。『死んでからのことは生きているものに任せる(あれこれ指図しない)』『歳をとったら機嫌良くすること』本当に大事だなぁと思います。今から心しておこうと思いました。ところで虫好きで有名な養老先生がクモは苦手(やわらかいのがダメらしい)って面白いですね。